— Case 07 / 食品加工業
要件定義・PM
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 事業 | 鶏肉加工(給食向けなど) |
| 扱うアイテム数 | 約300 |
ベテランの頭の中にあった生産計画を、
AIの設計図に。
食品加工の生産計画は、パズルに近い。どの品目を、どのラインで、どの順番で、どれだけ作るか。ラインの洗浄にかかる時間、在庫の量、賞味期限、ロットのまとめ方、そして納期。いくつもの条件を同時に満たす答えを、毎日のように組み立てる必要がある。
鶏肉の加工を手がけ、給食向けなどに商品を届ける同社も、この難しさを抱えていた。
- 計画を組めるのはベテランだけ
同社が扱うアイテムは約300にのぼる。ラインの洗浄や納期を考えながら生産計画を組めるのはベテラン社員だけで、半日から1日をかけて作っていた。ほかの社員は手を出せず、計画づくりがその人に依存していた。
- 読めない直前の発注
給食向けの商品は、3日前などの直前に発注が入ることが多い。先の注文が読めないため、急な発注に備えて常に一定の在庫を抱えておくしかなかった。
ベテランの頭の中には、長年の経験から生まれた判断の基準がある。しかしそれは言葉になっておらず、ほかの人が引き継ぐことも、仕組みに置き換えることもできない状態だった。
Vision Baseは、要件定義とPMとして参画した。いきなりシステムを作り始めるのではなく、まず「何を、どう判断しているのか」を明らかにし、AIに任せる仕組みの設計図を描くことから始めた。
最初に取り組んだのは、ベテラン社員へのヒアリングである。計画を組むときに何を見て、何を優先し、どこで判断しているのか。頭の中にあった基準を一つずつ言葉にしていった。
次に、在庫・賞味期限・ロット・ライン稼働・納期といった条件を踏まえて、AIが生産計画のたたき台を出す仕組みの要件を設計した。ヒアリングで言葉になったベテランの判断基準も、要件に組み込んでいる。
あわせて、過去の受注データと在庫の状況から、AIが先の受注量を予測する仕組みの要件も固めた。予測をもとに、生産と在庫の判断材料を出すことを狙っている。
現在は要件設計の段階であり、成果はこれから現場で確かめていくことになる。ここまでで、次のことが形になった。
- ベテランの判断基準が言語化された
頭の中にあった計画づくりの基準が言葉になり、属人化していた仕事の中身が見えるようになった。
- AIで生産計画を組むための設計図が整った
約300アイテムの条件を踏まえて、AIが計画のたたき台を出すための要件がまとまった。
- 受注予測にもとづく判断の仕組みが固まった
直前の発注に在庫で備えるのではなく、予測をもとに生産と在庫を判断していくための要件が固まった。
AIの導入は、作る前の設計で多くが決まる。現場の知恵を丁寧に言葉にした今回の要件定義は、ベテランに頼り切らない生産計画への第一歩である。
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