— Case 06 / 食品製造業
となりのAI実装エンジニア
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 事業 | 食品製造業 |
綴じるだけだった手書き日報を、
評価に使える数字へ。
食品工場の現場には、毎日たくさんの記録が生まれる。作業日報、温度の記録、工程の書類。食品の安全と品質を守るうえで、どれも欠かせないものである。ただ、記録をつけることと、記録を活かすことの間には大きな距離がある。
同社の製造現場でも、記録は確かに残っていた。課題は、それが次の改善につながっていなかったことである。
- 書くだけで終わる作業日報
加熱担当者は毎日、作業日報と温度記録表を手書きしている。しかし記録は現場でファイリングされるだけで、集計するには一枚ずつ見直す必要があった。手間がかかるため、品目ごとの作業時間や製造枚数を把握して、作業の評価や改善に活かすところまで手が回らなかった。
- 温度の確認は目視頼み
温度の記録はあっても、基準から外れていないかの確認は人の目に頼っていた。
- 工程図づくりの手間
商品開発では、新商品の工程図を原価計算書から人手で起こしていた。具材名の書き方が書類によって揺れることもあり、工程図を作るたびに時間がかかっていた。
手書きの記録も原価計算書も、情報そのものはすでに社内にある。足りなかったのは、それを使える形に変える手段だった。
同社が選んだのは、月額制でエンジニアが実装まで伴走する「となりのAI実装エンジニア」である。現場の書き方や書類の形を変えずに、すでにある記録からAIでデータと図を起こす仕組みをつくった。
まず、手書きの作業日報を画像にしてAIに読み取らせ、品目ごとの作業時間と製造枚数を月単位で自動集計する仕組みをつくった。現場はこれまでどおり日報を書くだけで、集計はAIが担う。
品目ごとの基準温度を品目マスタに登録し、記録された温度と突き合わせることで、基準からの逸脱を自動で判定できるようにした。
商品開発では、原価計算書を読み込ませると工程図のたたき台が自動で出る仕組みを用意した。具材名の表記ゆれは、商品マスタに略称を登録することで吸収した。毎回同じになる項目はテンプレート化し、担当者が確認すべき部分に集中できるようにした。
- 日報の読み取りは、初期状態で正答率77.5%
品目マスタの登録や個別の調整をしていない初期状態で、全40品目のうち31品目が正しく読み取れた(正答率77.5%)。今後、マスタ登録や調整を進めることで精度を上げていく。
- 品目別の作業時間・製造枚数が自動で集まる
ファイリングするだけだった日報から、品目ごとの作業時間と製造枚数が自動で集計されるようになった。作業の評価や改善に使える数字が、手間をかけずに手に入る。
- 温度の逸脱を自動判定
基準温度との突き合わせを自動で行い、逸脱を判定できるようになった。
- 工程図は確認と調整だけに
工程図はたたき台が自動で出るため、担当者は内容の確認と調整に集中できる。
記録の形を変えずに、記録の価値を変える。現場に新しい負担をかけない進め方だからこそ、毎日の記録がそのまま改善の材料になり始めている。
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