となりのナレッジシェアAI

【総合建設業(東京都)導入事例】「30年の設計ノウハウ」を組織知へ。属人化を脱却し、若手の独り立ちを2年から半年へ。

 

企業概要

項目 内容
所在地 東京都
事業 総合建設業(建築・土木・リニューアル工事)
従業員 約70名(うち技術系職員 50名)
主要顧客 民間オフィスビル、商業施設、医療・福祉施設、公共工事

導入前の課題:「2025年問題」と現場の暗黙知崩壊

堅実な経営を続けてきた同社。しかし、団塊世代の大量退職と若手不足が同時進行し、現場の知の継承が破綻寸前にありました。

  • ベテラン設計士・現場監督の退職ラッシュ — 過去30年の設計判断、現場対応、施主との折衝ノウハウが「人」にしか残っておらず、退職と同時に消失するリスクが顕在化
  • 若手の独り立ちまで平均2年 — 図面の読み方、施工標準、過去トラブルの対処法をOJTで学ぶしかなく、教える側のベテランも疲弊
  • 問い合わせの一次対応が属人化 — 現場監督から本社設計部への「これ、どう納める?」の電話・チャットが特定ベテラン1〜2名に集中。その人が休むと現場が止まる
  • 過去の図面・仕様書・施工要領書が散在 — 案件ごとにフォルダが切られ、「あの物件で使った納まり詳細」を探すのに半日かかることも常態化
  • 法令・基準改正への追従が不安定 — 建築基準法、省エネ基準、改正された施工管理基準などへの対応が、担当者の自己学習頼み

経営層の危機感:「あと5年で、ベテラン6名が定年を迎える。彼らの頭の中を残せなければ、会社の競争力そのものが消える」


解決策:「となりのナレッジシェアAI」で組織知を恒久資産化

Vision Baseは、まず1ヶ月のヒアリングフェーズで同社の業務フローを徹底的に可視化。「学習させるべきナレッジ」と「捨てるべき情報」を切り分けたうえで、3層のAIチャットボットを構築しました。

学習させたデータ(約2,400ファイル)

  • 過去10年分の実施設計図書(DWG・PDF)と特記仕様書
  • 社内施工標準・納まり集・トラブル事例集
  • ベテラン3名への計40時間のインタビュー音声を文字起こし・構造化
  • 関連法令・告示・JASS等の業界標準
  • 過去の施主クレーム対応記録と是正報告書

構築したAIエージェント

エージェント 役割
設計相談AI 「RC造で梁貫通スリーブ径と離隔の判断基準は?」など設計判断の即答
施工管理AI 現場監督がスマホから「雨天時のコンクリート打設可否」「仮設足場の検査ポイント」などを質問
見積・積算サポートAI 過去類似案件の歩掛・単価を引き出し、見積根拠の提示を支援

導入プロセス(約4ヶ月)

  1. 要件定義・業務フロー整理(1ヶ月)
  2. データ整備・学習・PoC(1.5ヶ月)
  3. 設計部・東京本店現場での先行運用(1ヶ月)
  4. 全社展開・運用マニュアル整備・社内説明会(0.5ヶ月)

導入後の効果(運用開始6ヶ月時点)

指標 Before After 削減率
ベテランへの問い合わせ件数(月) 約320件 約75件 ▲77%
過去図面・仕様の検索時間(1件あたり) 平均35分 平均3分 ▲91%
若手技術者の独り立ち期間 約24ヶ月 約8ヶ月(見込み) ▲67%
設計部の月間残業時間(1人あたり) 42時間 26時間 ▲38%

定性的な変化

  • 「いつでも聞ける安心感」 — 若手社員から「夜間や休日に設計をまとめている時、ベテランに気を使わず質問できるのが大きい」との声
  • ベテランが本来業務に集中 — 細かい問い合わせ対応から解放され、設計レビューや顧客折衝、後進育成の質的指導に時間を使えるように
  • 属人化リスクの大幅低減 — ベテラン退職前にナレッジを「動く資産」として残せた
  • 新規領域への横展開を検討中 — 安全管理AI、施主対応AI、若手向けOJT伴走AIへの拡張をVision Baseと協議

担当者の声(モデルケース)

設計部長:「最初は『AIに設計判断ができるわけがない』と疑っていました。実際に使ってみると、判断するのは人間、でもその前段の情報整理を一瞬でやってくれる相棒ができた感覚です。若手の質問の質も上がりました」

入社3年目 設計担当:「先輩に聞きづらかった『今さら聞けない基本』を、AIには何度でも聞けます。聞いた内容が記録に残るので、似た案件で自分で見返せるのも助かっています」

代表取締役:「人手不足は業界全体の課題ですが、『人を増やす』だけが解決策ではないと実感しました。一人ひとりの生産性を引き上げ、ベテランの知を組織の資産に変える。この発想転換が経営の打ち手になりました」


なぜVision Baseが選ばれたか

  • 「作って終わり」にしない伴走支援 — 導入後の社内説明会、運用QA対応、追加学習データの整備まで巻き取り
  • 業界特化の現場理解 — 建設業特有の用語・帳票・商慣習を踏まえた要件定義
  • 段階的拡張の設計 — Level1(個人効率化)→ Level3(部署のナレッジ連携)→ Level4(業務自動化)のロードマップに沿った計画的な拡張
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